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和白干潟をラムサールへ          The Save Wajiro Tidal Flat Association

和白干潟を守る会は、1988年4月に地元在住の切り絵画家・山本廣子( くすだひろこ )の呼びかけにより発足した自然保護団体です。 このブログは和白干潟を守る会の活動内容を発信するものです。

和白干潟を守る会のご案内

画像の中心(白い△印)をクリックするとビデオがご覧いただけます。

ご挨拶

 2012年4月より「和白干潟を守る会」の「活動報告」を主体にしたブログを開設しました。和白干潟を守る会のHP同様、よろしくお願いします。和白干潟の様子を見て和白干潟のすばらしさを感じていただければ、嬉しく思います。ごいっしょに保全活動をしませんか? 保全活動やHP・ブログの管理なども会員のボランティアで支えられています。 ボランティア活動の楽しさや喜びも感じていただけたら嬉しく思います。                   2013年4月  和白干潟を守る会 代表 山本廣子  

「和白干潟の海底湧水観察会」/このかけがえのない和白干潟を守って引き継いでいくことの責任を感じざるを得ませんでした。  

「和白干潟の海底湧水観察会」報告
「博多湾の一番奥なのに、なぜ和白干潟の海水は清浄なのか?~海底湧水の役割」

日時:2013年8月18日(日)13:00~17:00  中潮 干潮:13 51
場所:きりえ館(和白干潟を守る会事務所)、和白干潟
講師:新井 章吾 氏 (海藻研究所所長、海中景観研究所所長)
参加者:31名、一般:15名(守る会会員子ども、報道関係者含む) 
取材:NHKTV、朝日新聞社、西日本新聞社

 今年5月にNHKTVで、和白干潟には海底湧水が湧き出ていて海水を浄化しているということを知りました。初めて聞く話でしたので、研究されている新井先生のお話をぜひ聞きたいという私たちの願いがようやく実現しました。先生は近くの新宮町湊坂にお住まいですが、大変ご多忙で全国各地を飛び回っておられ、やっと日程を取っていただき、現地観察と講義をしていただきました。
 最高気温37度という猛暑日の日盛りではありましたが、NHKTVや新聞社2社の取材などもあり、あたらしい知識獲得に皆さんとても熱心で、すばらしい観察会となりました。きりえ館の会場正面には久保さん制作のイラスト入りの観察会タイトルが貼られ、ワクワク感いっぱいで待ち受けた先生との対面そこそこに海の広場へ移動することになりました。
沖合での説明
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 涼しい木陰で先生から、干潟で見られる澪(みお)の流れの地下には、その何倍もの汽水〜海水(塩水)が沖に向かって流れているというお話を聞きました。
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この地下水には90%以上の酸素が含まれており、そのおかげでアサリや底生生物が生息していけるそうです。湧水は沿岸域にしみ込んだ淡水ではなく、塩水です。沿岸域でしみ込んだ淡水地下水が海岸まで移動してその圧力によって、博多湾や海の中道地下の砂層にある地下海水が押し出されて、海底から海水が湧き出ていると考えられるとのことでした。地表に降った雨、家庭で庭にまいた水なども地面にしみこみ、湖沼や川だけでなく、最終的には海の底から湧き出します。地下に水が染みる時に有機物がバクテリアに分解され、有機物が直接海に流れ込むのを少なくして、水質の改善に役立っているそうです。海底湧水は酸素を多く含むので、底質の硫化を防ぎ、砂泥中のバクテリアや色素のない鞭毛藻を育て、水質を浄化しています。無機体の栄養塩が二枚貝などの餌になる珪藻を育みます。貝や底生生物が珪藻や有機物などを食べて育つので海水の浄化し、さらに人が潮干狩りでアサリなどを干潟から持ち出すというすばらしい自然の循環の仕組みに感動しました。
 観察では、浅瀬の5地点を選び、水が冷たいと感じる深さまで素手で掘って、簡単な装置(プラ容器に短いホースをつけ、ホースの先にポリ袋をつけたもの)を置いて、湧き水が時間当たりどれくらいの量採取できるか観察しました。
穴を掘ってみる
掘った穴に湧水採取器をつける
湧水採取器設置
 最も多いところで1㎡あたり毎時31リットルもあり、豊富さに感嘆しました。採取した湧水は、澄んでいて、みんなでなめてみると塩味がそれぞれの地点で違うこと、うまみのある塩水が出ている地点もあることがわかりました。ゴカイの多いところ、アサリの多いところは湧き水の量の多いところで、すなわち酸素が多い水脈の付近で生きものたちは暮らしているのです。一番うまい塩水のある地点ではアサリが多かったのが印象的でした。大分から参加された神鳥さんは湧水の塩水を煮詰めて作った塩は大変おいしく、販売もできると話されていました。
たまった湧水を調べる
 室内に戻って、パワーポイントを使って学習会がありました。
博多湾は潜ってみると汚いが、和白干潟はきれいで、人工島ができて静穏化したが、海底湧水が干潟の環境を維持するのに大きな役割を果たしているとのこと。和白干潟の沿岸域は砂質の土壌なので降った雨の70%くらいが地下に滲みて、和白干潟の地下にある海水を押し出すように湧いているそうです。雨は酸素が過飽和で、地下に染み続けることで地表に近い松林の下などの地下水は溶存酸素が100%近くになり、海岸線付近で地下海水と酸素と栄養塩の受け渡しができているのではないかと考えられるそうです。もし、この湧水の量が減ったら、生物が激減することが予想され、全国ではかなりの被害が出ている実例を紹介されました。
 このような状況を作らないためには、干潟の埋め立てをやめること、公共工事では三面側溝、U字溝の設置をやめること、U字溝にはところどころ穴を開けて水を浸透させる工事をすること、河口や海岸に矢板を打ち込まないことなどが必要です。
 大雨による洪水被害を防ぐために大きな配水管や地下貯水槽を造る工事が行われているが、雨水などが地下に浸透できる仕組みが大切で「雨水浸透桝」設置を義務付けるなど、行政の方針が大きな鍵を握っていると強調されました。減災の観点から、すでに関東ではその認識が広まっており、東京都では新築住宅に助成金をつけて雨水浸透桝設置を義務付けるなど積極的に推進しているそうです。福岡市でもぜひ減災と博多湾再生のためにも進めてほしいと、市民から働きかけようと呼びかけられました。
 和白干潟の湧水には、陸の有機物がバクテリアによって分解された無機体の栄養塩が含まれています。陸から海への栄養塩の循環として大切な仕組みです。海岸付近にビオトープをかねた池を作り、下水処理水を地下に浸透させることで、湧水量を増やすと干潟の水質浄化がさらに促進されるそうです。三河湾では焼きそばやたこ焼きに振りかけられるアオサ粉の製造のためにアナアオサが大量に採取され、その残滓が有機農業の肥料になっているとの経済的に循環しているアオサ駆除の例をあげ、さらに大分から参加された神鳥さん夫妻の紹介があり、打ち上げ海藻を肥料として活用してゆず農園をされている体験も聞かせていただきました。アオサはどのような状態でも活用でき、乾燥して粉にして青海苔のように製品化する、肥料とするなら発酵させたり、畑にすき込まず、そのまま農地に乗せるだけがよいなど、アオサの被害に悩む和白干潟としては、農業用肥料などに有効活用されれば最善であろうと思われました。
 観察会では和白干潟の自然が太古からの数々の自然の恵みによってバランスが保たれて、都市部にあるにもかかわらず、奇跡的に海水が清浄に保たれている貴重な干潟であることを実感しました。このかけがえのない和白干潟を守って引き継いでいくことの責任を感じざるを得ませんでした。
 一方、和白干潟がラムサール条約登録を目指していることについては、ラムサール登録されたからといって必ずしもよいことばかりではない現実を実例を挙げて紹介されました。        
新井先生の多方面にわたる豊富な知識と精力的な実践のエネルギーに圧倒されましたが、私たちもこの感動を実践として生かすことが求められていると思います。
 当日午後6時45分からのNHKTVの地方ニュースの中で、観察会の様子が放映され、しっかり5年生の久保ひなたさんがコメントしてくれました。また、西日本新聞、朝日新聞の朝刊にも記事が載りました。子どもたちが参加したことの意味は大きいですね。
終了後残った人で記念写真

※NHK福岡のNEWS WEBに、ニュースの動画がアップされています。 (E・I)
http://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20130818/3838941.html
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